「クラウンって何」「ピエロのこと?」と言われるのが日本では普通です。
「クラウン」は、一言で言えば「人や社会の矛盾や不合理を切り取って、笑いを生み出す」職業です。
こどもから大人まで観客の年齢層が幅広いため、「下ネタ」、「教育上不適切な題材と表現」はタブーとされています。
難しい歴史をひとまず横に置いて言えば、日本には輸入されていない欧米の伝統的な芸術の分野だと言えます。
この「クラウン」、欧米ではほぼすべての芸術に影響を与えるだけではなく、考え方や生き方にもそれは及んでいるということは、日本ではまったく知られていません。
クラウンキャンプ木曽をリードするロネとジージは、日本のシアター・クラウンの草分けとして、30余年に渡り文化の普及と理解に貢献してきました。
クラウンキャンプ木曽もその普及活動の一環です。
クラウンを日本語で説明するのは、まるで「チョコレートを見たことも食べたこともない人に、それを説明すること」と似ています。
参考までに「ピエロ」(フランス語)は、特定のフランス古典喜劇に出て来るキャラクターの名前で、「アルルカン」「アルレッキーノ」とも呼ばれます。どれほど欧米のDNAにしみこんでいるかは、PRADAなどのバッグの名前でもわかります。
クラウン的な発想に基づくもの
「クラウン」が何かをわかりやすくするために、クラウン的といわれる、クラウンの考え方や手法を使ったものをいくつか挙げてみます。まずは、それらに共通する「感じ」が「クラウン」だと思ってください。順不同です。たくさん挙げてもキリがないので、ほんの一部です。
- チャップリンの映画(映画)
- アイ・ラブ・ルーシー(テレビ)
- ライフ・イズ・ビューティフル(映画)
- ディズニー
- ローレル&ハーディー
- Mr.ビーン
海外では、職業クラウンになるために、国立の学校を約6年かけて卒業する国もあるほど、身につけなければならない技術がたくさんあります。最近では、その技術の中からいくつかの技術を抜粋するスタイルで、さまざまな場面で「クラウン」が応用されるようになってきました。
その技術とは、「秀でたコミュニケーション能力」や「笑いを生むユーモアの視点」という部分です。
クラウンを学ぶとは、歌舞伎俳優のように多岐に渡る技術の数々を学ぶだけでなく、人間を学び予期せぬ出来事に対応する対応力を磨くこと、コミュニケーションのスキルを磨くことでもある点が、クラウンのユニークな部分です。
そして、クラウンは「演技の方法」でもあり、ハリウッド、ロンドン、ロシアなど、海外の俳優にはクラウン的な表現やクラウンの役ができる人はたくさんいますが、島国日本には、ほとんどいないのが現状です。